ケアプロストプラスの違いは何?まつげ育毛効果は変わりません
ケアプロストプラスは何が違うのか
ケアプロストプラスと普通のケアプロストで異なる点は、プラスの方には有効成分にチモロールマレイン酸塩が加えられているところです。
つまり、ケアプロストプラスにはビマトプロストが0.03%、チモロールマレイン酸塩が0.5%含有されています。ビマトプロストの含有量や、薬液の内容量、1日の使用回数などはケアプロストと同じです。

また、ケアプロストと同じサンファーマ社によって製造・販売されています。つまり、チモロールマレイン酸塩が加えられていることを除けば、他はケアプロストとほぼ同じ薬であると言えます。
チモロールマレイン酸塩にはまつげ育毛効果がありません。
ケアプロストプラスという名前からして、ケアプロストを凌ぐ強力なまつげ育毛効果が得られるようにも聞こえますがそういうわけではありません。というのも、ケアプロストプラスに新たに加えられた「チモロールマレイン酸塩」には、まつげの成長を促す働きがないためです。
チモロールマレイン酸塩に期待できるのは、緑内障の治療効果を高める働きです。緑内障の治療では、単剤では有効な治療効果が得られない場合、作用点の異なる複数の薬を同時に投与する多剤併用療法が選択されることがあります。2つの有効成分、つまり2つの薬が同時に配合されているケアプロストプラスでは、多剤併用療法を容易に行うことができるのです。
まつげ育毛のみを目的とする場合には、普通のケアプロストの使用が適しています。
ケアプロストプラスはまつげ育毛効果がプラスされているわけではありません。
チモロールマレイン酸塩は、まつげ育毛効果のあるビマトプロストと同じく緑内障に使われている薬ではあります。しかし、様々な臨床試験でまつげの成長が確認されているビマトプロストに対して、チモロールマレイン酸塩でまつげの変化が報告された例はありません。
そもそもプロスタグランジン関連薬と呼ばれるビマトプロストと、β-受容体遮断薬と呼ばれるチモロールマレイン酸塩では、作用機序が全く異なります。よって、ケアプロスト以上の効果を求めてケアプロストプラスを選んでも、満足な効き目は得られないと思われます。
通販価格や製薬会社などの比較
以下の表は、ケアプロストとケアプロストプラスの違いを分かりやすく表にまとめて比較したものです。
ケアプロスト | ケアプロストプラス | |
---|---|---|
製薬会社 | サンファーマ社 | サンファーマ社 |
通販価格相場 | 2,100~2,500円 | 2,600~3,000円 |
有効成分 | ビマトプロスト | ビマトプロスト+ チモロールマイレン酸塩 |
内容量 | 3ml | 3ml |
異なる点は有効成分と通販価格の2点です。
普通のケアプロストの方が安価で購入できます。
まつげ育毛にあえてケアプロストプラスを選ぶのは、あまりおススメしません。理由のひとつは、単純に通販価格の相場がケアプロストプラスの方が高いためです。まつげ育毛効果が同じなうえ、製造ブランドも同じなのに、わざわざ高価なケアプロストプラスを選ぶ必要はないでしょう。
安全面でもケアプロストの方が無難です。
もうひとつの理由として挙げられるが、安全性についてです。ケアプロストプラスにのみ配合されているチモロールマレイン酸塩には、いくつかの禁忌事項があります。β-受容体遮断という作用機序の性質上、喘息や心不全などに関連する病気の患者(または既往歴のある患者)では症状が悪化する可能性があるのです。
また、相互作用によって、副作用の発現を高めたりなどのリスクがある併用注意薬の種類も増えます。余計な心配が増えるくらいなら、まつげ育毛とって不必要な成分が入っていない、普通のケアプロストを選んだ方が良いでしょう。
ケアプロストプラスは二重になる効果が高い?
口コミで広まっている「ケアプロストを塗ると二重まぶたになる」という副作用。有効成分ビマトプロストの働きによって眼圧が低下することで起きていると考えられますが、ケアプロストプラスではどうでしょうか?ネットに書き込まれている情報の中には「ケアプロストよりもケアプロストプラスの方が二重になる効果が強い」との意見もあります。
確かにケアプロストプラスに含まれるチモロールマレイン酸塩にも、眼圧を低下させる作用があるため、相乗効果で二重になりやすくなる可能性はあります。しかし、それを証明する確実な情報はありません。そもそもケアプロストの二重になる効果自体、臨床試験で確認されている副作用でもありません。あくまで口コミで広まった作用である以上、二重の効果を期待してケアプロストプラスを購入するのはあまりおススメしません。
ケアプロストプラスについてまとめ
ケアプロストプラスは、通常のケアプロストに「チモロールマレイン酸塩」という成分が加えられた薬です。
チモロールマレイン酸塩は、緑内障の治療に有用な成分であり、まつげの育毛には効果がありません。
また、チモロールマレイン酸塩にはいくつかの禁忌事項があるうえ、販売価格の相場もケアプロストプラスの方が高くなります。
以上のことから、まつげの育毛が目的ならば、通常のケアプロストを使用した方が良いでしょう。