ケアプロストの副作用|色素沈着の黒ずみに注意!かゆみもある?
ケアプロストの主な副作用は?
ケアプロストの副作用として報告されている主な症状としては、以下が挙げられます。
- 充血
- 目ヤニ
- 色素沈着
- まぶたの赤み
- 目のかゆみ
- まぶたの多毛症
これらの副作用が見られた場合には、ケアプロストの塗布を一時的に中断しましょう。
色素沈着でおきる黒ずみについて
ケアプロストの副作用の中でも、多くの方の悩みの声があがっているのが色素沈着による目の周りの黒ずみです。 実際にTwitterのキーワード検索機能で「ケアプロスト 色素沈着」と検索してみると、以下のような悩みの投稿が散見されます。
「伸びたけど色素沈着がすごい」
「目尻に色素沈着が見受けられる」
「目の下に色素沈着(涙)」
色素沈着の副作用は、ケアプロストの有効成分ビマトプロストの働きによるメラニン色素の増加を原因として起こります。黒々としたまつげの育毛に欠かせないメラニン色素ですが、まつげの根元以外の皮膚に薬液が付着してしまうことで、黒ずみが起きてしまうのです。

塗るのを止めると色素沈着は治ります。
ケアプロストの色素沈着は、投与を中断すれば止まります。皮膚の代謝によって、黒ずみは少しずつ薄れていきますので過度に心配する必要はありません。反対に、黒ずみが起きても使用を継続した場合には、徐々に色素沈着が進行してしまいますので注意が必要です。
色素沈着を防ぐにはワセリンがおススメです。
ケアプロストの副作用による色素沈着を防ぐ方法として、利用者の間で広まっているのがワセリンの塗布です。ケアプロストを塗る際に、ワセリンで周りの皮膚を覆うことで、余計な部分への薬液の塗布を防ぐというものです。
ワセリンを綿棒にとって、まつげの根元につかないように注意しながら薄く塗ってください。ケアプロストが溜まりやすい目じりの部分や。薬液が垂れてきやすい涙袋の部分には特にしっかりと塗りましょう。
先発薬の臨床試験で確認された副作用発現率
ケアプロストの先発薬である「ルミガン」の添付文書に記載されている副作用の発現率は80.19%です。販売前に行われた臨床試験において、総症例数323例中、259例に何らかの副作用が報告されています。8割以上の患者に副作用が現れているとはいえ、ケアプロストを危険な薬と決めつけることはできません。
というのも、報告された副作用の中でも半数以上を占めていた症状が「睫毛の異常」だったのです。睫毛の異常とは、まつげの成長のことを指しています。
ケアプロストの先発薬ルミガンは、もともとは緑内障の治療に使う点眼薬です。点眼薬として使用している患者の多くに、まつげの長さ、太さ、色の濃さなどの成長が見られたことから、ルミガンのまつげ育毛効果が注目されるようになりました。つまり、点眼薬として使用した場合では副作用と見なされるまつげの育毛も、まつげの貧毛に悩む方にとっては嬉しい効果なのです。
まつげ育毛剤としての副作用発現率は16.7%です。
まつげ育毛剤として使用した場合のケアプロストの副作用発現率を、最も正確にあらわしているデータは「グラッシュビスタ」の臨床試験です。グラッシュビスタは、日本で唯一のまつげ貧毛症治療薬として承認された薬であり、有効成分およびその含有量はケアプロストと同じです。つまり、ケアプロストとグラッシュビスタには、同じ有効性と安全性が期待できます。
グラッシュビスタの臨床試験で確認された副作用の発現率は16.7%(87例中、14例)でした。主な症状の内訳は、充血が3.4%、目ヤニが3.4%、色素沈着が3.4%です。
上記したルミガンの臨床試験では副作用として捉えられていた「まつげの成長」が効能として扱われているため、その分、副作用の発現率がグンと低下しています。このことから、まつげ育毛剤として使用した場合のケアプロストは、決して副作用の出やすい薬ではないことが分かります。
ごく稀にみられる重大な副作用について
ケアプロストで報告されている副作用の中でも、特に重大な症状としては以下が挙げられます。
- 虹彩色素過剰
- 眼瞼溝深化
虹彩色素過剰(こうさいしきそかじょう)とは、黒目の色が濃くなる症状のことです。ケアプロストによって、虹彩のメラニン色素が増加することによって生じます。ケアプロストの使用を中止しても元に戻らない可能性があるため、重大な副作用のひとつといえます。育毛剤として用いた場合の虹彩色素過剰の発現率は0.2%であり、海外の臨床試験でしか報告されていません。
眼瞼溝深化(がんけんこうしんか)とは、まぶたがくぼむ症状のことです。もともと緑内障の治療薬であるケアプロストには、眼圧を下降させる働きがあるため、その影響によってくぼみの副作用が生じる場合があります。育毛剤として用いた場合の眼瞼溝深化の発現率は0.2%であり、海外の臨床試験でしか報告されていません。
失明の副作用は報告されていません。
ケアプロストが目というデリケートな場所に使用する医薬品である以上「失明のリスクがあるんじゃないの?」といった心配が生じることもあるかと思います。結論から言うと、ケアプロストで失明が起きたケースはありません。
ケアプロストの先発薬ルミガンや、まつげ育毛剤としての承認を得ているグラッシュビスタの添付文書にも記載はありません。特にルミガンでは、329例を対象とした大規模な臨床試験が行われていますが、失明の副作用の報告はひとつもありません。
ケアプロストの使用上の注意
ケアプロストの有効成分であるビマトプロストに対して過敏症(アレルギー反応)の既往歴がある方は、本剤を使用できません。ビマトプロストは、先発薬であるルミガンはもちろん、グラッシュビスタやラティースなどにも同用量が含まれています。よって、これらいずれかの薬剤を使った際にアレルギーのような症状が出た経験がある方は、ケアプロストでも同様の症状が出ることが予想されます。
妊娠中や授乳中の使用は避けましょう。
妊婦または妊娠している可能性のある方に対するケアプロストの安全性は確立していません。
先発薬ルミガンの添付文書には、妊娠したマウスに経口投与した結果、流産および早産が認められたとの記述があります。緑内障の治療に際しては、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与することができますが、美容目的で妊婦の方が使用するのは控えましょう。また、ケアプロストの成分には母乳中に移行したという実験結果もあるため、ケアプロストを使用中には授乳を中止しましょう。
ケアプロストの副作用についてまとめ
ケアプロストの主な副作用は、色素沈着や充血、かゆみなどの症状です。ケアプロストをまつげ育毛剤として使用した場合の副作用発現率は16.7%であり、決して副作用の出やすい薬ではないことが分かります。
とはいえ、ケアプロストユーザーの多くに色素沈着による「黒ずみ」の副作用が確認されているのもまた事実です。色素沈着は有効成分による一時的な作用であり、ケアプロストの塗布を中止すれば、徐々に元に戻ります。
重大な副作用としては「黒目の色が濃くなる」「まぶたが窪む」などの症状がごく稀な頻度で報告されていますが、失明が起きた例はありません。